2006年04月13日
4月9日より本日まで、公務出張にてインドネシア・ジャカルタと、カタール・ドーハに行って参りました。
インドネシア・ジャカルタで開催された国連アジア太平洋経済社会委員会に政府主席代表として出席、アジア太平洋に関する政策スピーチをし、その日のうちに機中泊で中東のカタールへ移動、「民主主義・開発と自由貿易」国際会議で講演をして一泊、機中泊で帰国という慌しい出張でした。
カタールの講演では、日本における市民活動の一例として、江戸時代の一般市民の活動を紹介したところ、予想外に大きな反響を得ました。
百万人の人口を数える世界有数の大都市だった江戸だが、いわゆる公務員はわずかに290人ほど。それでいて、海外からの賓客たちが驚くほど街はクリーンで秩序が保たれ、美しく安全、人々の礼儀正しさは高い評価を得て、大変好印象を与えていたといいます。庶民の暮らしぶりはつつましかったとはいえ、お祭りや花火大会、盆栽や井戸端会議など、生活を結構楽しんでいたとか。
そんな質の高い市民社会を実現できていた理由の一つが、各地域において、年長者がコミュニティのリーダーとして的確に物事を判断し、皆がその意見を尊重して協力し、自主的に、警備、裁判など行政の役割を分担していたことでした。「民主主義」という語彙も発想もなく、近代的行政組織のない社会ながら、温かさと信頼に基盤を持つ地域の市民活動によって、地域の秩序や安全が保たれていたのです。
そんな話をしながら、ふと、人と人の繋がりが殺伐と味気なくなってきているように感じられる現在の日本のことを考えさせられました。そんなかつては普通だった日本の良さのような部分を、民主主義国家として成熟へと向かいつつある今の日本に活かして、もっと幸せな、温かい思考の出来る国に出来ないか。そんな思いが募ります。
エキゾチズムからだけでなく、人間共通のベースにある温かさが伝わったようで、講演後は大きな反響を得ました。
公務日程の詳細については外務省の公式サイトでご覧ください。
Akiko Yamanaka : この記事の固定リンク


