2006年05月18日
ハイチ大統領就任式典出席の報告、2日目です。
この国の政治的・経済的・社会的安定が重要視されるのは、ハイチが政情不安定となると多くの難民が米国に流入し、米国社会を不安定にしかねない側面があるからです。
特に、すでにハイチ離散家族を60万人も抱えるフロリダ州と、40万人を抱えるニューヨーク州は、大きな影響を受けることになるでしょう。
米国のこの重要な二州が、百万人単位のハイチからの難民・移民の流入を受けた場合、失業者の増大、財政負担は相当に大きく、米国全体の政治・経済・社会的不安定化を招くこともおおげさではないシナリオのひとつ、と考えられています。米国がそのような状況に陥ることは、国際社会にも大きな影響を及ぼすことでしょう。
そうしたこともあり、国際社会は一致して、ハイチの安定化に支援をしているわけです。
ハイチは、日本からの直行便もなく、片道二日もかかる遠い国です。
しかし、日本は、これまで、食糧支援枠での肥料の支援や、エイズ対策などの医療支援を行ってきました。
更に、UNICEF、IMF、FAO、UNESCO、UNDP、WHOなどへの資金協力という間接的な形でもハイチ支援をしてきており、これらの機関からも相当に感謝されています。
ところが、今回、1996年から2000年まで大統領を務め、再登場とあいなったプレヴァル氏と、就任式前日に会談したところ、日本の間接的財政支援はまったく認知されていなかったのです。
日本の支援の実情を、いかに相手に伝え、しっかり理解してもらうかが重要な課題のひとつと認識させられました。
手間もかかり、渡航延期勧告のでている地域に日本人を派遣するのは難しい、という外務省の事情はわかります。しかし、人間の安全保障基金などを活用し、教育、医療・衛生支援など生活環境整備も含め直接的な支援がのぞまれるところです。
また、同時に、日本が現地で前出の国連・国際機関と協力する『現地協力方式』など、財政支援のあり方を改めて考えるときが来ているのではないかとも思います。
電力供給、水道の普及、道路整備等のインフラ整備も今後の課題となっているだけに、様々な形で、意味のある支援を考えなければならないところです。
たとえば、先日出張したコソボのような、行政研修、ジャーナリスト研修などでの招聘事業や、大学医学部の救急センター新設を日本と現地UNDPで協力で実施し引き渡すといった方法は、現地のニーズにも対応し、日本のプレゼンスを高め、しかも、実施には国連機関とも連携する方法として、ここでも有効に思えます。
平和構築のための基本的な訓練を受けた日本人を育成し、ODAの実施部隊としての枠組みを設けることで、日本のプレゼンスを高め、日本の援助の実態を被援助国に周知していくことが有効なケースとも思います。その意味でも、このハイチのケースは、よくよく吟味が必要でしょう。
明日はハイチで感じた大使館をめぐる問題について書いてみたいと思っています。
本日はこれから衆議院本会議です。
シャクヤクやあじさいが、豪奢で、それでいてどことなく控えめな花をつけ始めています。
雨がそぼ降る、温度調節の難しい季節ですが、皆様体調にはお気をつけください。
Akiko Yamanaka : この記事の固定リンク


