2006年05月19日
東京はそぼ降る雨です。
今日は午前中外務委員会に委員として出席、午後には法務委員会に外務大臣政務官として政府側答弁のため出席しました。
さて、ハイチ大統領就任式典出席の報告、最終回です。
今回、ハイチに限らない問題として認識を新たにしたのが、国交ある『国』には必ず『大使館』を置き『大使』をおく、という外交の基本をきちんと守ることが大切だ、という点でした。
先頃往訪したバルカン半島で言うと、今年1月、日本はスロベニアに大使館を開館しました。私も同地での開館式典に政府代表として出席しましたが、これは10年越しの懸案事項でした。
というのも、それまでは、駐オーストリア大使がスロベニア大使を兼務していたのです。
どんなに有能であっても、常駐しない兼務となれば、その国の細かい行事には出席できず、雰囲気の変化や些細ながら重要な国内ニュースなどを見落としてしまいます。その国の国民にとっても、日本のプレゼンスは日常的には見えなくなってしまいます。
ちなみに、日本大使館の開館式典には、既に大使館を開設している40カ国余の駐スロベニア大使が出席しました。それだけの国が、すでに専任の大使をおいていたわけです。
「大使館設置」「大使常駐」を原則とする、外交上の基本的プレゼンスは、外交関係を結んでいる総ての国に対して、相手国に対する礼儀からも、早急になさなければならないことと感じています。
単なる外交儀礼上の問題にとどまらず、食料やエネルギーをはじめ、国家存亡に関わる基本的分野においても海外依存の大きい日本としては、国家戦略として、二国間関係・多国間関係の強化が重要になってくるはずです。
財政的な面は十分考慮する必要がありますが、大使館設置は外務省の通常予算ではなく、別途計上する方法、たとえば、ODAのGDP 0.7%を実現するための方策という位置づけもありえます。あるいは、これからの国家としての情報集中のための位置づけもあるでしょう。
いずれにせよ、信頼される日本のプレゼンスを高めるという国益の観点からも、国民の理解と支持は得られるはずです。
外務省の人員数では無理ということであれば、民間企業で海外勤務をしてきた人達、学者や研究者も含め、省外の人材を活用し、国家戦略として別枠で予算を確保することも一つの方法だと思います。
また、外務省の課長クラス、即ち、40代の若手を小さな国、新しい国に派遣して、現地での国つくりに協力させるのも、経験という点でも交流という点でも効果的ではないでしょうか。
大使という仕事について、見識の出来上がった人物を派遣するというこれまでの外務省のカテゴリーをシニアと考えるなら、今の時代には、もう一つ『ジュニア大使』のカテゴリーを設けてもおかしくないでしょう。
逆に、民間である程度キャリアを積まれたいわゆるシニアの方々の力を活用するのも一つです。
方法や予算、人員については、知恵を集めていくらでも工夫できますが、まずなにより、大使館という外交上のチャネルをきちんと整えて、日本の顔の見える外交を進めようという意志と戦略を持つことが大切なのではないか、改めてそう感じました。
さて、今日夕刻には、英国でのディッチリー財団主催による紛争予防と経済開発に関する会議に出席するため成田空港に向かいます。
4月半ばのインドネシア出張以来続いている公務出張ラッシュも、これで一段落。
沖縄返還をはじめ様々な国際問題解決に貢献してきた伝統ある会議からの招待ということで、改めて気を引き締めて行って参ります。
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