2006年11月30日
日本アロマ環境協会の機関誌(秋号)に、「香りの植物園を創りたい」と題して、記事が掲載されました。
これを一つのきっかけに、活動報告でも一度まとめてみたいと思います。
大学教授時代の1986年、ニュージーランド第一の都市クライストチャーチで開かれた、国際大学婦人協会の総会に出席したときのことです。
クライストチャーチの、どこを撮っても絵になる美しい街並みには感心しました。
英国より英国的という有名なこの街並みは、住まう人々のたゆまぬ努力の結晶とのことでした。毎年開催される「通りのコンテスト」などの試みに感心させられたものです。
そのクライストチャーチの中でも印象的だったのが、総会の文化行事の一つとして見学した、「香りの植物園」でした。
香りの植物園の起源は、1545年のイタリアにさかのぼります。
世界初の植物園「パドヴァ植物園」(世界遺産)が創設時に掲げた三つのコンセプトの一つが「芳香植物を鉢植えにし、四季を通じ入れ替える」ことでした。
以来、ヨーロッパでは「健常者は花や草木の色や形を楽しめるが、視覚障害者には出来ない。だが、香りと触感を活かせば、視覚障害者も植物を楽しめる」という主旨から、目の不自由な人もゆっくり自然の香りを楽しむ事ができるよう様々な香りの良い木や草花を計画的に植えた「香りの植物園」が作られるようになったのです。
さて、クライストチャーチもこの思想の流れを汲んで造園したのですが、完成してみると健常者にも大変心地良い場所となり、ついには観光名所となったというのです。
日本でも1950年代にあるお寺で仏の慈悲の精神から視覚障害者のため「匂いの花園」が作られ、そのコンセプトはニューヨーク・ブルックリン植物園の福祉事業の一環に波及しました。また、1998年には、日本の植林協会などの支援で視覚障害者のための南京市中山植物園が中国に設置されました。
しかし、まだ日本には、本格的な「香りの植物園」はありません。
日本人の心の将来に不安を感じざるを得ない事件が続く昨今、世界第2位の経済大国日本にこそ、本格的な「香りの植物園」が必要ではないかと思うようになってきました。目の不自由な人々だけでなく、老若男女が折りに触れ心を鎮め、ゆったり物を考える事ができる場として、その存在は人々の心を豊かに潤すことと思います。
特に人々が忙しくしている首都圏で、と考えると、幸い、東京から30~40分の八千代市には京成バラ園があり、隣接する習志野市にはポプリハウスもあるので、地域的な連携を考えても適切な立地になるのではないかと考え、調査しています。
心を休めるカモミールの芝生が広がり、常緑樹のニオイヒバの前には、木製の長いベンチがある。車椅子でもゆったり通れる散策路を進めば、季節によって、桜、沈丁花、ライラック、金木犀、銀木犀等が香る。様々な芳醇な香りの草花も植えられている…千葉の土地柄を考えれば、駐車場に近い一角では作り手の見える有機野菜が市場より安く買える、といった風景にもつながるかもしれません。
ストレス解消の芝生や木製の100メートルベンチ、バラやスズラン、ラベンダーなどのお茶、ケーキ、アイスクリームのティーハウス、地場のお米、野菜、果物、酪農製品をふんだんに使った郷土料理などを楽しんで、帰りには、車の方は箱買いで「梨」「キュウリ」「トマト」などを購入頂ける…。
東京から1時間という地の利を活かし、リーピーターを獲得し、地場産業の活性化に寄与する、「香りの植物園」を、ぜひ私の地元で実現したいと考えております。
Akiko Yamanaka : 2006年11月30日 11:54


